マツカレハの光周反応にみられる地理的変異
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概要
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マツカレハの光周反応に関する地理的な変異を調べるため, 1日の照明時間を12時間から15時間まで1時間ごとに4段階にわけ, 20℃および25℃の恒温条件下で数箇所のマツカレハをふ化直後から飼育した。その結果, 非休眠個体の出現率や休眠に至るまでの生育経過などに明らかな産地間のちがいがみられた。15時間照明区では, どの地方のマツカレハからも非休眠個体が出現し, その他の照明区でも一部の産地では非休眠個体の出現をみた。しかし, その出現率は南の地方のものほど高かった。12時間照明区では, ほとんどの個体が休眠した。休眠にはいった齢期は南の地方のものほど進んでおり, その齢期の幅も南の地方のものほど広かったが, 休眠期間は北の地方のものほど長かった。12時間照明区と15時間照明区とでは, 光周反応における産地間のちがいが顕著に現われたが, その他の照明区では非休眠と休眠との中間の生育経過を示したものが多く, 顕著なちがいは現われなかった。このようなマツカレハの生育状況にみられる産地ごとのちがいは, 遺伝的な性質のちがいに基づくもののように思われた。
- 1973-09-25
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