天狗巣病にかかつたキリのアミノ酸について(第1報) : 葉と枝のアミノ酸
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概要
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天狗巣病にかかつた桐と健全な桐のアミノ酸についてペーパークロマトグラムを用いて調べた。その結果, 健葉と病葉A(罹病樹にある外観上健全な葉)の間では全く差異は認められずアルコール可溶性物質中にアミノ酸8種及び粗蛋白質構成アミノ酸13種と未知物質1を認めた。病葉B(天狗巣症状部分にある病葉)ではアルコール可溶性物質のアミノ酸中にロイシンがなく残余の7種を, また粗蛋白質構成アミノ酸中にアルギニンがなく残余の12種と未知物質1を認めた。更に病葉Bの粗蛋白質構成アミノ酸の量は健葉の1/5以下であつた。このことは葉で合成される蛋白質の量が乏しいことを意味していると考える。病枝ではアルコール可溶性物質中にアミノ酸を検出し得なかつた。このことは枯死への指標であると考える。健枝ではアルコール可溶性物質中にアミノ酸7種を認めた。粗蛋白質構成アミノ酸では両者の間に差はなく9種と未知物質1を認めた。本実験で認められた未知物質はヒスチジンとリジンであろう。
- 1957-11-25
著者
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