ヒノキ人工林における下層植生のタイプと土壌侵食危険度との関係

概要

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数量化分析によるヒノキ人工林の侵食危険度判定基準作成の第二段階として, 説明要因の一つとなる下層植生の状態のカテゴリー化を行い, 外的基準となる土壌侵食危険度指数を提示した。高知県下17カ所64プロットの下層植生を, 被度と優占種の生活型との組み合わせにより貧植生型, ウラジロ・コシダ型, 草本・地表植物型, 落葉広葉樹型, 常緑広葉樹型の5タイプに区分した。各タイプは地表保護の観点から互いに異なると考えられる特徴を示したので, これをカテゴリー区分の基礎とした。侵食危険度の指標としての有効性が認められた土柱個数, 断差面積, 根系面積率の測定値を, 各項目の最大値に対する百分率に換算し, 3者の和を土壌侵食危険度指数とした。植生のカテゴリー化において, 落葉広葉樹型と常緑広葉樹型を木本型として統合すると, 土壌侵食危険度指数には, 草本・地表植物型<ウラジロ・コシダ型<木本型<貧植生型の関係が認められ, この関係はカテゴリー間での植生の状態の違いに良く対応した。以上から, このカテゴリー化と土壌侵食危険度指数とが, 表土流亡危険度の予測に有効であると結論した。
日本森林学会の論文
1999-02-16