森林土壌中におけるCO_2ガス環境形成過程 : 数理モデルを用いた検討
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概要
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温度・水分等の環境因子が経時変動する条件下における土壌中CO_2ガス環境を記述する数理モデルを作成した。このモデルは森林環境下における土壌中CO_2ガス濃度の経時変動を深さごとにシミュレートすることが可能である。ここでは, 東京大学千葉演習林袋山沢流域で取得された観測データの再現を試みた。モデルパラメータの設定に際して, 土壌中CO_2ガス濃度分布形の観測地点による相違を支配するのは, 場に固有の土壌中CO_2ガス生成強度分布とガス拡散特性であることが確認された。数値シミュレーション結果は実測値と良好に適合し, 数理モデルの正当性が確認された。シミュレーションの中で, 環境因子の変動に対するCO_2ガス生成強度・拡散係数の経時変動を追跡することによって, 環境因子の影響を強く受けるのは土壌表層であるが, 結果として大きく変動するのは深部のCO_2ガス濃度である, 等の土壌中CO_2ガス環境形成のメカニズムに関する知見が得られた。
- 1998-08-16
著者
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