ジベレリンおよびウニコナゾール-P処理がオオバヤシャブシの花芽分化に及ぼす影響
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概要
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花粉症をひき起こすオオバヤシャブシの着花抑制を目的として, ジベレリン(GA_3)およびウニコナゾール-Pの葉面散布と樹幹注入が花芽分化に及ぼす影響を検討した。葉面散布では, ジベレリンは低濃度でもシュートの伸長成長を促進し, 腋芽の形成を抑制し, 雄花芽の分化を顕著に抑制した。一方, ウニコナゾール-Pは逆に伸長成長を抑制し, 雄花芽の分化を促進する傾向が認められた。樹幹注入においても, ジベレリンとウニコナゾール-Pの花芽分化と伸長成長に及ぼす影響は葉面散布と同様の傾向が認められた。この結果からオオバヤシャブシの花芽分化には内生ジベレリンのレベルが密接に関与している可能性が考えられる。オオバヤシャブシの大径木への着花抑制を目的として, ジベレリン処理を行う場合には, 樹幹注入の方が薬量が少なくて済み, 環境への影響も少ないので, 葉面散布より実用的と考えられる。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1997-05-16
著者
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