クロマツ林における衰弱木の時間的発生パターンとそれらの枯死要因
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
材線虫病に冒された林での衰弱木の発生パターンと枯死要因を明らかにするために, クロマツの1林分で4年間に発生した全枯死木についてマツノザイセンチュウとニトベキバチの有無を調査した。木の健康状態を知るために, 5月から10月までの各月に全立木の樹脂滲出能の調査を行った。衰弱木の発生数は6月から8月まで増加したが, その後10月までほぼ同数であった。6月から10月までに衰弱し始めた168本のマツのうち141本のマツが翌年の5月下旬までに枯れた。マツノザイセンチュウとニトベキバチはそれぞれ99%と16%の枯死木から検出された。141本のマツには雪によって葉を失った4本のマツ, 幹の曲がった2本のマツおよび1本の被圧木しか含まれていなかった。このため, 主要な枯死原因はマツノザイセンチュウだと考えられた。6月から10月までに衰弱を示さなかったのに, 11月から翌年の5月までに19本のマツが枯れた。これらの主要な死亡原因は種内競争だと考えられた。なお, ツチクラゲ, アズマタケおよびナラタケの子実体の発生は認められなかった。
- 日本森林学会の論文
- 1989-08-01
著者
関連論文
- 枝の添伸成長に伴うミズキの葉の生産性と冬芽形成
- ミズキの葉の展開とシュート伸長
- キアシドクガの発育に及ぼす温度の影響
- クロマツ林におけるマツ材線虫病罹病木の外部病徴の変異
- 衰弱時期の異なるクロマツ枯死木におけるマツノマダラカミキリの発育
- クロマツ林における衰弱木の時間的発生パターンとそれらの枯死要因
- S27 マツノマダラカミキリの個体群動態とマツ材線虫病の伝播(カミキリムシの個体群動態)
- 異なる時期に産卵されたマツノマダラカミキリの発育
- C15 マツノマダラカミキリ成虫の分散とそれに関与する要因(生態学)
- 立木におけるスギカミキリ幼虫の体サイズの変異
- マツ枯損予防のための殺虫剤散布時期に関するモデルとその一適用例
- アテの葉を加害する昆虫(I)