マツ枯損予防のための殺虫剤散布時期に関するモデルとその一適用例
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概要
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マツ枯損予防のための殺虫剤散布適期はマツノマダラカミキリの羽化脱出の開始期と最盛期とされている。ここでは, マツノマダラカミキリ成虫の羽化脱出消長と生存曲線, マツノザイセンチュウのマツ樹体侵入経過, 殺虫剤の残効を組み合わせて, マツノザイセンチュウの樹体侵入に対する殺虫剤の阻止割合を表わすモデルを作製し, もっとも野外条件に近いと考えられた資料を用いて散布時期を検討した。その結果, マツノマダラカミキリ成虫の羽化脱出消長の第16日と第26日(最盛期は第23日)に殺虫剤を散布する場合にマツノザイセンチュウ侵入阻止割合が最大で(51.5%), 現行の場合はそれより9%低くなることが示された。しかし, 用いた資料は一例にすぎないので, この結果が一般化できるかどうかは今後の問題である。さらに, この論文ではマツノザイセンチュウの樹体侵入率に対する殺虫剤の効果を表わすモデルを用いたので, 計算された散布適期がマツ枯損予防と直接結びつくかどうかは別の問題である。
- 日本森林学会の論文
- 1980-10-25
著者
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