クロマツ林におけるマツ材線虫病罹病木の外部病徴の変異
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概要
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材線虫病に自然感染したクロマツの衰弱時期と枯死過程の関係を明らかにするために, 1林分の全クロマツに対して樹脂滲出能の調査を5月から10月まで毎月行った。また, マツの葉色の調査を6月から10月までは毎週, 11月から5月までは毎月1〜3回行った。6月から9月までの間に衰弱しはじめたマツの場合, その大部分は衰弱した年に全葉が茶色〜赤茶色になって枯れた(パターンA)。枯死過程の完了までの平均時間は8,9月に衰弱しはじめたマツより6,7月に衰弱しはじめたマツのほうが長かった。9月または10月に衰弱しはじめたマツの場合, 衰弱した年にほとんどすべての葉が変色し, 翌年全葉が茶色〜赤茶色に変色するものがあった(パターンB)。8月から10月の間に衰弱しはじめたマツには, 衰弱した年に一部の葉が変色し, 翌年になってほとんどの葉が変色し, その後すぐに全葉が茶色〜赤茶色になる場合が見られた(パターンC)。10月に衰弱しはじめたマツのうち少数のものは, 衰弱の翌年の4月に一部の葉が変色し, 遅くとも6月中旬までに全葉が茶色〜赤茶色に変色した(パターンD)。
- 日本森林学会の論文
- 1989-11-01
著者
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