天然林の成長予測 (I) : シミュレーションモデルの作成
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概要
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天然林は林分構造が複雑で成長過程が多様を極めており, 成長予測は困難であるといわれている。しかし, 天然林施業法の研究を進めるにあたっては, 天然林の成長過程を解明し成長予測を行うことが不可欠である。本報告の目的は, 天然林施業への応用を考慮した天然林の林分成長シミュレーションモデルを作成することにある。本モデルは, 林分構造の表現方法として直径分布を, 林分成長の表現方法として直径遷移確率を用い, 直径分布に対応した直径遷移確率を求め, その直径遷移確率を直径分布自身に適用して新しい直径分布を得るという一種のフィードバックシステムである。そこで, 本モデルを「直径遷移確率を用いたフィードバック型林分成長シミュレーションモデル(Feedback type Stand growth simulation model using Diameter transition probability : 略してFSD)」と名付けた。FSDによる天然林の成長予測の結果は, トドマツ, エゾマツ林分の特徴や経験的に推定される林分の変化の傾向をよくとらえていると考えられた。
- 日本森林学会の論文
- 1989-08-01
著者
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