リソース・シェアリングと図書館 : ILLの心と形^<1)> (特集:リソース・シェアリング:資料利用のための協力)
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概要
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図書館間での相互利用が展開する三段階過程,「相互貸借」,「コンソーシャム」,「ネットワーク」は,方向性を持った三段階の図書館業務,すなわち「収集」,「整理」,「利用」と呼応しながら進化している。すなわち,「相互貸借」は「利用」の共同化であり,「コンソーシャム」は「利用」のみならず「整理」をも含む共同化であり,「ネットワーク」は更に「収集」までを含む図書館業務の全過程の共同化である。第二段階が第一段階からevolveするのに対し,第三段階への進化は第二段階に内因があるのではなく,技術の進歩など環境変化に左右される。従って,図書館にとって第二段階と第三段階との間には越え難い溝がある。それを,「所有とアクセス」の矛盾,「単館」の論理と「群館」の論理の矛盾として提示した。次いで種々のコピー概念をオリジナルとの対応から整理し,その結果を博物館,美術館をも含む相互利用にあてはめて,貸借を基本とする博物館/美術館に対し,図書館では複写が基本である理由を,図書館が保有する刊本のduplicateという性質に求め,更にこの性質が,利用者にとっては,読みとは無関係に刊本の疑似所有を可能ならしめ,図書館にとっては,相互利用の三段階を貫くことによって,越え難いとした溝を重層化によって埋める可能性をはらむものであることを述べた。
- 社団法人情報科学技術協会の論文
- 1993-11-01
著者
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