ルース・ベネディクト「菊と刀」の再評価 : 情報源/テキスト/引用文献ほか
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概要
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ルース・ベネディクト(RFB)の「菊と刀」は、1946年に刊行されてからこんにちまで50年間、日本研究に関心を抱く内外の学者にとってさまざまな議論の対象となり続けてきた。日本語も知らなければ日本に来たこともない著者の書いた書物の影響力が、刊行後半世紀経ったこんにち再び高まってきているという現象は解明に値する。それは、日本の降伏からもちょうど半世紀が過ぎたという漠然とした理由よりも、国際日本文化研究センターのポーリン・ケントが、米国ニューヨーク州ポケプシーにあるヴァツサー・カレッジ所蔵のRFBコレクションをくまなく精査した結果を報告したことが直接のきっかけである。本稿では、ポーリン・ケントの発見が投げかけた新たな光が照らし出す「菊と刀」のこれからの研究方向を踏まえて、上記現象の説明材料を求めて、「菊と刀」の情報源と「菊と刀」を引用した文献を考察の対象とした。その結果、RFBは戦時情報局にありながらさまざまな情報と情報源に対して一定の距離を置く一方で、どんな情報が足りないかを常に頭に置きそれを求め続けた状況が明らかになった。そこで、RFBの情報処理能力を「菊と刀」再評価の手がかりとする試案を提出する。
- 国立情報学研究所の論文
- 1996-03-29
著者
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