内視鏡的治療を試みた気管支カルチノイドの 1 例 : エタノール注入および高周波焼灼
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概要
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症例は80歳, 女性。2年前に右上葉支入口部の腫瘍を指摘されたが手術を拒否し, その後閉塞性肺炎を繰り返していた。当院入院時, 腫瘍は右主気管支入口部を完全に閉塞し, 易出血性であった。99.5%エタノール計4mlの注入により生検時の出血はほとんどなくなったが, 腫瘍の縮小はわずかで閉塞状態は続いたため, 大腸ポリペクトミー用のスネア及び高周波焼灼装置を用いて切除を試みた。腫瘍の大部分は摘出したが, この際約1000mlの出血があった。摘出腫瘍は壊死に陥っていたが, 茎部に残った組織より定型的なカルチノイドと診断された。気管支より発生した血管の豊富なポリープ様腫瘍に対するエタノール注入と内視鏡的切除は比較的簡便に行える治療法であるが, ポリープ様腫瘍の切断部位が充分壊死に陥った後でないと大量の出血をきたすおそれがある。
- 日本呼吸器内視鏡学会の論文
- 1992-07-25
著者
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長谷川 鎮雄
筑波大学臨床医学系内科
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土井 幹雄
筑波メディカルセンター病院病理
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吉澤 靖之
東京慈恵会医科大学 第4内科
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陶山 時彦
筑波大学呼吸器内科
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矢野 平一
筑波大学臨床医学系
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吉澤 靖之
筑波大学臨床医学系
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矢野 平一
Department of Internal Medicine (Kashiwa Hospital), The Jikei University School of Medicine
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西原 弘治
筑波大学臨床医学系呼吸器内科
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矢野 平一
Department Of Internal Medicine (kashiwa Hospital) The Jikei University School Of Medicine
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土井 幹雄
筑波メディカルセンター病理
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土井 幹雄
筑波メディカルセンター病院病理科
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野口 佳子
きぬ医師会病院内科
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陶山 時彦
きぬ医師会病院内科
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海老原 玲子
きぬ医師会病院放射線科
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西原 弘治
筑波大学呼吸器内科
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土井 幹雄
筑波メディカルセンター病院
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土井 幹雄
筑波メディカルセンター病理科
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矢野 平一
筑波大学臨床医学系呼吸器内科
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長谷川 鎮雄
筑波大学臨床医学系,内科
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