「全国気管支鏡調査・2000」からみた気管支鏡検査の実態

概要

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「全国気管支鏡調査・2000」の調査を行った。調査期間は2000年1月日1から12月31目までで,調査は日本気管支学会の認定施設と関連認定施設の合計229施設に調査票を郵送し,274施設または診療科(以後,施設科)より回答を得た。数字は有効回答数に対する割合である。気管支鏡専用検査室は63.7%の施設科が有していた。気管支鏡の本数は,ファイバースコープは2〜6本,電子スコープは2〜4本を所有している施設科が多かった。調査期間の検査実績では,診断を目的とした気管支鏡検査総数は年間101〜150回行った施設科が17.2%と最も多かった。肺野末梢の孤立性病変の確定診断のために最初に用いる検査法は,39%がTBLB, 32%がブラッシングを選択していた。また,びまん性肺疾患では,TBLBが多くの施設科で行われていた。治療目的の気管支鏡検査数は44%の施設科が年間15回以下であった。喀痰吸引と気道異物の除去が57.6%の施設科で行われていた。.気道拡張を目的とした処置は,エタノールなどの薬剤の局所注入(37.8%),バルーン拡張術(28.0%),高周波スネア(27.1%),レーザー照射(59.8%),軟性鏡を用いたステント留置(62.4%)であったが,いずれも7〜8割の施設が年間1〜3回の施行回数であった。肺門部早期肺癌の局所療法としては,エタノール局所注入(37.5%),Nd-YAGレーザー(15.6%),光線力学的治療(PDT) (0.4%),気管支腔内照射(9.6%),高周波スネア(6.8%),ヒートプローブ(2.3%)が行われていた。同意書は81.5%で患者からの承諾書を書面で取得していた。そのうち81%の施設科が全例から,10%の施設科が症例を選択してTBLBの場合などに承諾書を取得していた。検査時のモニターは,全例に行っている場合が76.7%,症例を選択して行っている場合が21.1%であった。気管支鏡検査の感染症対策としては、被験者の術前検査を行っている施設科は86%であった。感染予防に必要な気管支鏡専用の洗浄器は35.5%で保有していなかった。抗酸菌による気管支鏡汚染の経験のある施設科は35.0%と比較的多く,また,検査に従事したスタッフからの結核発生は3.0%にみられた。気管支鏡検査の合併症は気胸(33.5%)が多く,感染症の合併(27.3%) ,気管支喘息発作(19.0%) ,心疾患(7.:3%)であった。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
2003-01-25

「全国気管支鏡調査・2000」からみた気管支鏡検査の実態

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