開花状況によるスギ花粉飛散数減少の検討

概要

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我々は阪神地域の主なスギ花粉源である丹波山地での着花状況によって, 良好なスギ花粉飛散総数予測を行っている.しかし, 近年の花粉飛散時期における異常気象下では, しばしば花粉飛散数の減少がみられた.そのため, 飛散数が予測に合致したか否かの検証により, 花粉飛散総数の補正を行い, 次年度以降の飛散総数予測を行う必要がある.観測林を六甲山地の標高150m, 220m, 350m, 500m, 800mにおき, 観測日ごとに開花状態から花粉放出率を計算した.観測日ごとの対応期間において, 花粉飛散総数から花粉飛散率を算出した.花粉放出率と花粉飛散率との差違についてt検定を行った.1993, 1997, 1999, 2000, 2002及び2003年において, 飛散数が有意に減少した異常区間数が2以上みられた.1993〜2003年の空中花粉数の補正数は6358個となり, そのうち89%は1993, 1997, 1999, 2000, 2002及び2003年にあった.丹波山地に近接する西脇において, 2000〜2003年の異常区間数は阪神地域より比較的少なかった.補正前の丹波山地の着花量と飛散総数の相関係数はr=0.868から補正後の相関係数r=0.922に向上した.
2005-06-30