イネ葉しょう腐敗病菌による褐色米の発生
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概要
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イネ葉しょう腐敗病菌Sarocladium oryzaeを穂ばらみ期と開花期に接種すると,籾の褐変や褐色米が高率に発生した.さらに,穂ばらみ期接種では葉鞘の腐敗を生じて病微か再現されたが,開花期接種では本症状が発生しなかった.一方,1978年にイネの穂が全体に褐変する症状が発生し,それらの玄米の多くは褐色米であった.褐色米や本病の多発圃場のイネ株から分離したSarocladium sp.の菌株をイネの開花期と穂ばらみ期にそれぞれ接種すると,本病菌の接種結果とほぼ同様の結果が得られた.なお,分離菌の葉身への病原性は低かった.そして,褐色米からの分離菌はSarocladium oryzaeと固定された.以上のことから,岡山県に発生した褐色米はイネ葉しょう腐敗病菌Sarocladium oryzaeによって起こることが明らかとなった.
- 日本植物病理学会の論文
- 2004-05-25
著者
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