オンライン辞書から得られた語間の関係の知識を用いた構造的多義性の解消
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概要
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文解析において発生する構造的多義性を解消するために,われわれはDependency Analyzerと呼ばれる実験システムを開発した.このシステムは,オンライン用語辞書の定義文から抽出された語間の関係を知識として用いている.構造的多義性は文の依存(係り受け)構造において,ある語が複数の係り先を持つものとして表現される.このような構造が与えられたとき,システムは次のようにして多義性を解消する.まず,ある語とその係り先の各候補の語の間に知識として定義された関係が存在するかどうか探索する.そのような関係が発見された場合,その関係に優先度を与え,最も優先的な関係を選択する.知識ベースは,辞書中のテキストを解析し,その結果を語を節点とする木構造に変形することによって,半自動的に構築される.このシステムの解析結果を知識ベースに随時追加していくことによって,知識ベースが自らを拡張するという知識のブートストラップを実現することができる.このシステムは,実用的な意味処理を目指して,(1)大規模な知識ベースの半自動的な構築,(2)知識を効率よく利用する推論メカニズム,を実現するように設計されている.本論文は,Dependency Analyzerの知識ベースの構築と構造的多義性の解消のメカニズムについて述べる.
- 1992-02-15
著者
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