日本文解析における述語相当の慣用的表現の扱い
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概要
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日本文解析においては,文中の表現が,字義どおりの意味であるのか,あるいは慣用的な意味であるのかを判断し,それに応じた解析を行うことが必要である.本論文では,述語相当の慣用的表現である述語慣用句と機能動詞表現の2つに関して,それぞれの解析手法について提案する.これらの解析手法では,それぞれの表現の持つ特徴を,その表現が慣用的な意味で用いられるための制約条件として捉え,この制約条件を満足する場合にのみ,慣用的表現としての解析を行う.述語慣用句については,表現ごとに用意した結合価構造中の結合価要素と文中の格要素との対応を取ることにより解析を行い,機能動詞表現については,意味の大部分を構成要素である動作名詞が担っているという機能動詞表現の特徴に着目し,動作名詞の用言形を述語とする文として解析を行う。これらの手法は,上記の制約条件を満足するか否かによって,文中の表現が,字義どおりの意味であるのか,あるいは慣用的な意味であるのかを判断し,それに応じた解析を行うことを可能とする.また,慣用的表現に関する情報を単語情報から独立させることによって,辞書記述を単純化し,辞書の保守性の向上を図っている.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-12-15
著者
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