日本語技術文における並列構造

概要

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自然言語を工学の対象とする研究においては,言語現象を工学の立場から精密に調査・分析し,処理に有効な情報を整理する段階が基本的に重要である.このような認識に基づき,本論文では,自然言語処理で一つの障壁となっている並列構造に関して,約1万の日本語技術文を対象として行った調査の結果を報告する.約3,50Oか所に現れた並列構造を網羅的に抽出し,文形式の並列,名詞句の並列,その他の並列の3種に分類したうえで,それぞれどのような型があるかを出現頻度もあわせて明らかにする.これによって,日本語技術文における並列化現象の全体に見通しを与える.また,各型の並列構造に特有の共起表現とその出現頻度,および束ねの用法における共起表現の種類を明らかにし,機械処理における並列構造認定のための手がかりを与える.並列要素間の類似性を検出する手がかりとして,並列要素が同一文字を含む場合についての調査結果の一部も示す.以上の調査は,主に表層上の現象に関するものであり,言語の意味理解をただちに可能とする十分な情報を与えているわけではないが,言語を機械処理向きに標準化する問題や,将来の広範な日本語処理のための基礎的な資料として有効であると考えられる.
一般社団法人情報処理学会の論文
1986-02-15

日本語技術文における並列構造

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