キュウリモザイクウィルスに対するメロン品種の抵抗性に関する研究 : I. 感受性および抵抗性品種の接種葉ならびに葉肉プロトプラストにおけるウィルスの増殖
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概要
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キュウリモザイクウィルス(CMV, 黄斑系)接種メロン葉には退緑斑が形成されるが, 感受性品種のアールス(Cucumis melo L. var. reticulatus)ではそれがしだいに拡大するとともにウィルス濃度も著しく増加する。これに対し, 抵抗性品種のコヒメウリ(C. melo K, var, makuwa)に形成された退緑斑はやや小形でほとんど拡大せず, 接種葉におけるウイルスの増殖量もきわめて低かった。接種葉の組織切片および表皮を蛍光抗体で染色して観察すると, アールスでは接種後の時間の経過に従って蛍光の認められる範囲が増加したが, コヒメウリではわずかな部分にしか蛍光が認められず, またそれが拡大することもなかった。しかしコヒメウリの接種葉にアクチノマイシンD(10μg/ml)を処理すると, 蛍光範囲は増大し, 同時に組織汁液中のウイルス濃度も著しく上昇した。さらに両品種より調製した葉肉プロトプラストにCMV-RNAを電気的導入法によって接種した場合, いずれの品種においても同様なウイルスの増殖パターンを示した。以上の結果から, コヒメウリにおける抵抗性は主として組織レベルで発現するものと考えられた。
- 日本植物病理学会の論文
- 1989-10-25
著者
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