切断及び黒斑病菌の感染に伴うサツマイモの炭水化物量の変化
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概要
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サツマイモの切断組織及びサツマイモ黒斑病菌感染組織 (罹病組織) において, 炭水化物量の変化を調査した。表面から内方へ向っての各組織における炭水化物の定量の結果, デンプンは各層において罹病組織の方が切断組織よりも減少が大であり, またデンプンの分解は, 切断及び罹病組織共に内方に向うにしたがい少なかった。切断傷害における還元糖は内方に向うに従い増加したが, 罹病組織においては表面に近い層においてむしろ減少した。スクロース含量は48時間後の罹病組織において第一層が減少した場合を除き, すべての層においてほとんど一定であった。炭水化物の変化を経時的に分析した結果, 炭水化物群は, 順位をもって代謝をうけること, すなわち還元糖が最初に, 次にスクロースが, 最後にデンプンが利用される事がわかった。炭水化物の経時的変化は貯蔵時期によって影響をうけた。すなわち10カ月貯蔵組織は2カ月貯蔵組織よりも, 病傷害に対する炭水化物量の変化が小であった。
- 日本植物病理学会の論文
- 1976-04-25
著者
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