1993〜96年における圃場分離イネいもち病菌のイソプロチオラン, IBPおよびEDDPに対する感受性モニタリング
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概要
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1993〜96年の4年間にわたって, イソプロチオラン粒剤使川田を含む圃場から分離したイネいもち病菌について, インプロチオランに対する感受性を50%菌糸生育阻止濃度EC50値によってモニターした。実験室内の選抜で得られた有機リン剤in vitro耐性変異株はイソプロチオランにも耐性であることが報告されていることから, IBPおよびEDDPに対する感受性についてもEC50値によってモニターした。イソプロチオランおよびIBPのEC50値については, 1977〜83年のモニタリング結果と比較し, 両モニタリング時期の感受性の変動を比較した。イソプロチオランに対する感受性は, 両時期とも明瞭な一峰性を示し, 対照に用いた感性菌と同程度の感受性レベルであった。1977〜83年におけるIBPに対する感受性から, IBPでは感性菌とMR菌の二群に分けられた。さらに, MR菌は耐性程度が低く分離頻度の高い集団と耐性程度が高く分離頻度が低い集団からなっていた。1993〜96年には,耐性程度が低いMR菌のIBPに対する感受性が高まっていたのに対して, 耐性程度が高いMR菌の耐性度は変わらなかった。一方, 1993〜96年におけるEDDPに対する感受性は, 対照の感性菌の近傍であった。in vitro耐性変異株のような高度耐性菌は, いずれのモニタリング時期でも圃場からは分離されなかった。IBP-MR菌の耐性程度の違いとイソプロチオランおよびEDDPに対する感受性との間に相関は認められなかった。薬剤の予防的散布による防除効果試験によって, IBP-S菌およびIBP-MR菌に対して, 常用濃度およびその半薬量散布ではインプロチオランおよびEDDPの防除効果の低下は認められなかった。これらの結果から, 圃場から分離されたIBP-MR菌は, イソプロチオランおよびEDDPに対して交差耐性を示さないことが示唆された。
- 日本植物病理学会の論文
- 1999-02-25
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