同一レタス葉における lux 標識 Pseudomonas cichorii の増殖と移行および宿主の反応の経時的観察
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概要
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Vibrio fisheri 由来の luxCDABE オペロンを有する Pseudomonas cichorii IBRC82 のレタス葉における増殖と移行を Video-intensified microscopy (VIM) カメラを用いて経時的に観察するとともに病徴発現との関係を調べた。lux由来の生物発光は, 接種部位でまず接種2日後に観察され, その後, 速やかに周囲に連続的に移行し, 葉脈を通じて移行した。褐変は, 生物発光が観察された部位に生じ, つづいて腐敗へと変わった。顕微鏡観察において, 生物発光は表皮や葉肉の細胞間隙や維管束で認められた。これらの結果から, レタス葉における腐敗病の病徴の発現・拡大が P. cichorii の細胞間隙と維管束における増殖と移行に伴って生じることが示唆された。レタス葉ディスクに P. cichorii IBRC82 を減圧下で注入したところ, 接種12時間後にディスク全体に生物発光が, 接種36時間後にディスク組織の崩壊が観察された。真核生物のタンパク質合成阻害剤であるシクロへキシミドを処理すると, 生物発光は観察されたがディスク組織の崩壊は認められなかった。これらの結果から, P. cichorii を注入したレタス葉の崩壊には, P. cichorii の増殖とそれに対応した宿主組織のタンパク質合成が必要であることが明らかとなった。
- 日本植物病理学会の論文
- 1998-12-25
著者
-
豊田 和弘
岡山大院自然科学
-
曵地 康史
高知大農
-
鈴木 一実
滋賀県大環境
-
曵地 康史
高知大学農学部植物工学研究室
-
堀越 守
日本農薬株式会社
-
廣岡 卓
日本農薬株式会社
-
奥野 哲郎
高知大学農学部生物資源科学科植物工学研究室
-
豊田 和弘
岡山大学農学部
-
鈴木 一実
財団法人岩手生物工学研究センター
-
廣岡 卓
日本農薬
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