アクセス負荷の予測を用いた動的コンテンツ再配置方式
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概要
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分散メディアサーバ環境でシステムの性能を十分に発揮させるには, メディアサーバ間でアクセス負荷を分散する必要がある. ミラーサーバによるアクセス分散方法もあるが, 映像情報のような大容量コンテンツを扱う場合はコンテンツの複製や移動などの再配置による方法が効果的である. そこで, 本論文では, メディアサーバの過負荷による呼損を防ぐため, アクセス負荷をリアルタイムに評価して実行契機を判断する動的コンテンツ再配置方式について検討した. これは, メディアサーバの提供ストリーム量に閾値を設けて再配置起動のタイミングを得る方法であるが, 呼損を生じないように閾値を安全側に設定すると無駄な再配置が起動されてしまう. この問題を解決するために, 現時刻のアクセス負荷に加え一定時間後の予測値を実行契機の判断に用いる予測型動的コンテンツ再配置方式を提案する. 実際のVODシステムで得られたログを基にアクセスモデルを構築し, 予測方法ならびに予測値からの判断方法についてシミュレーションを用いて評価したところ, サービス時間分布から得られるサービス継続率を用いた予測方法が呼損や無駄な再配置の削減に有効なことが確認された. 本方式の予測機構を分散メディアサーバシステムに組み込むことで, アクセス負荷の効果的な分散と, システム全体としての性能向上が期待される.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1999-03-15
著者
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