高速LISPマシンとリスト処理プロセッサEVAL II : アーキテクチャとハードウェア構成
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概要
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本論文は, 高速処理に重点をおいて試作したLISPマシンのアーキテクチャとハードウェア構成を中心に論じている. 本マシンのおもな構成要素は, リスト構造のデータを処理するプロセッサEVAL II, LISP入出力関数の実行およびファイル等の外部記憶装置の管理を行うI/Oプロセッサ, そして, リストセルを格納するメインメモリである. とくにEVAL IIは, リスト処理向きアーキテクチャを備えることを目的として設計されたプロセッサであり, その実現への柔軟な対処のため, 既製のビットスライス等のマイクロプロセッサはいっさい使用しなかった. EVAL IIは, その扱うデータがおもにアドレスポインタであることから内部バスにアドレス/データ共通バスを備えている. EVAL IIのリスト処理向き機能として, リストサーチを ALU演算や分岐演算と並列に高速処理するCARCDR演算機能や, リストセルや関数の型による処理先への分岐を効率よく実行するディスパッチ機能がある. また, 分岐演算と他の演算の並列処理やパイプライン処理などを行っている. ベンチマークテストにより, LISPインタプリタでは, 本マシンは超大型計算機上 のLISPシステムに匹敵する高速処理性能を示している. また, 動特性の測定結果から本アーキテクチャがLISPマシンに適合することが確認されている.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1983-09-15
著者
-
西川 岳
大阪大学工学部応用物理学科
-
土井 俊雄
大阪大学工学部応用物理学科
-
前川 博俊
大阪大学工学部応用物理学科
-
安井 裕
大阪大学工学部応用物理学科
-
斎藤 年史
大阪大学工学部応用物理学科
-
斎藤 年史
大阪大学・工学部
-
安井 裕
大阪大学・工学部
-
安井 裕
大阪大 工
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