Lisp プログラムのベクトル化法とベクトル化 Lisp コンパイラの実現
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概要
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この論文では,ベクトル型スーパコンピュータ上でLisp関数をベクトル演算をもちいて並列実行するための方法を提案する.また,これらの方法をもちいてベクトル化可能なコードを生成するコンパイラVectorizing Lisp Compilerについてのべる.記号処理プログラムでは,非定型的な処理が多く,従来技法でおこなわれているように,配列の各要素に単純な演算を適用する場合をベクトル化するだけでは,ベクトル演算を使用する機会が少なく,記号処理プログラムの高速化は得られない.Vectorizing Lisp Compilerは,ユ-ザ定義関数呼び出し,リスト操作,条件分岐などにより複雑な制御をおこなうLisp関数の,複数個の引数リストへの適用をベクトル化できる.Lisp関数は,1回の呼び出しで複数の引数リストを一括して並列処理する手続きにコンパイルされる.この手続きは,操作の多くをベクトル演算命令で実行するコードとなっている.いくつかのプログラムをコンパイルしスーパコンピュータNECSX2N上で実行したところ,8-Queenプログラムの場合で,ベクトル化率は99.8%,処理速度は逐次的に実行する場合にくらべ21.5倍の向上が得られた.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-02-15
著者
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