水運用計画における予測問題とタンクモデル
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概要
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上水道系統において効果的な水運用を行うためには, ダム放流量を制御し渇水期に備えできる限りダム貯水池に貯水する一方, 安定給水を確保し需要をすべて満たさなければならない. したがってダム流入量および水需要量の今後の変動を的確に予測することが重要である. 本論文では, 台風などによる出水時のダム流入量時間単位予測モデルとして改良型タンクモデル, 水需要量日単位予測モデルとして洗濯タンクモデルを提案し, それぞれのモデルの有効性を検証したので報告する. ダム上流流域の降雨量をダム流入量に変換する改良型タンクモデルでは, 予測を開始する前にあらかじめ実績値変動に追従するように各タンク貯留高を調整してから予測対象時点の各タンク貯留高を設定する. そのため応答性がよく, タンク構造パラメータを調整しなくても精度の高い予測値が得られ, 平均誤差率は従来モデルの1/5以下に改善された. また洗濯タンクモデルは, 当日の天候と過去数日間の天候履歴との組合せが当日の水需要に与える影響を, 家庭における洗濯の行動のしかたと結びつけて考慮することにより予測値を補正するタンクモデルである. このモデルを導入し, 当日の天候だけでなく天候履歴の影響も考慮した結果, 従来のモデルと比較し平均誤差率は10%改善され, とくに1年中で最も水需要の多い夏季の急激な水需要量変動に対する追従性が向上した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1983-07-15
著者
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吉村 猛
日本電気(株)
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吉村 猛
日本電気(株)c&cシステム研究所
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小橋 知子
日本電気(株)C&Cシステム研究所応用システム研究部
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小橋 知子
日本電気(株)c&cシステム研究所応用システム研究部
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