分散データベース : 更新トランザクションの実行と制御に関する記号演算
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概要
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分散データベースシステムにおいて, データの一貫性保存の問題は, 最も重要な課題のひとつである. 本稿では, この一貫性を保つための方法として, 従来提案されてきた方式とは, 全く異なる観点から導かれたひとつの手法を提案する. それは, 従来のものが, リソースであるデータに対しロックをかける方式であったのに比し, 本方式は, トランザクションが他のトランザクションに対しロックをかける方式であるといえる. 本稿では, 入力される更新トランザクションの形態が, あらかじめ定められているいわゆる定型業務処理を扱いの対象とし, まず入力されるトランザクションの解析のための手法を論じ, ついでトランザクションの集合が同時に実行される際のそれらの制御形式について述べる. このために, まずトランザクション集合に対するひとつのシンボリックな記述が導入され, トランザクションの実行および終了は, その記述に対する演算として表現される. このようにして, 分散データベースにおけるトランザクション群の実行は, ある簡単な代数的構造を持つ演算の逐次実行という形で表現でき, それに基づく制御が行われることになる. さらに, 本方式では, デッドロックは起り得ないことおよびデータ一貫性が常に保持されることの形式的証明が述べられる. なお本方式がどのように用いられるかを明確に示すため具体例による説明も含まれる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1982-01-15
著者
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