リスト処理系設計のための記憶管理に関する考察
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概要
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リスト処理系では動的に記憶割付を行うので, 記憶管理の良否が処理速度に大きく関係する. 本稿では, 統計的モデルから導かれる結果とLisp 1.5インタプリタ系の測定値を比較しながら, 固定長セル型リスト処理系の記憶管理効率について論じる. 特に, 処理速度に大きな影響を与える, ガーベージコレクションに費やす時間T_Gとポイン夕の局所性について考える. リスト処理のオーバヘッドの多くをT_Gが占める. 単位時間当りの固定セル数が一定である処理に対して, 始めに与えられるセル数の関数としてT_Gを計算する. この結果は実測値と一致した. ある許されるオーバヘッド時間比の下で処理を行う場合に必要なセル数を予測する目的に利用できる. 多数のセルを確保する手段としてページ方式によるセル空間の仮想化を考えた場合, ポインタに局所性があれば処理速度の低下は少ない. 局所性の示標としてポインタのスパンを考え, セル使用形態モデルから静的スパン分布を与える. この結果は, 仮想空間上で効率的にリスト処理系が動作する時のセル空間に対するページサイズを決定するのに役立つ. ガーベージコレクション時に実行されるセル空間圧縮がスパン分布に与える影響についても考察を加えている.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1979-03-15
著者
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