既知構造の単眼視姿勢推定における基本問題
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概要
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3次元物体の幾何モデルが与えられたときに,単眼視画像から物体の姿勢を推定する問題について,位相幾何レべルでの解析結果を述べる.一般に姿勢推定問題は回転推定と並進推定に分離できるが,本稿では,より本質的である回転推定に議論を限定する.取り扱う物体は,剛体を抽象化した概念であるベクトル剛体と,回転自由度1の関節を抽象化した概念である関節ベクトルから構成される任意の物体とする.ベクトル剛体は1組のベクトル集合で定義され,また,関節ベクトルハ回転軸に対応するベクトルで定義される.各ベクトル剛体内では接続する関節ベクトルを含めて,角度関係がすべて既知であるものとする.このモデる記述により,物体はベクトル剛体と関節ベクトルで構成されるベクトル拘束グラフと呼ぶグラフで表現でき,従って,1枚の画像から各ベクトル剛体の姿勢を推定する問題も同様の記法で表現できることを述べる.次に,ベクトル拘束グラフで表された姿勢推定問題が可解であるか否かの判定法と,極小かつ可解な問題(基本問題と呼ぶ)を同定する方法を示す.さらに,具体的な基本問題を幾つかの例について示すとともに,基本問題相互の関係を一般的に論じる.特に,実用面から重要なサブクラスである(既知ベクトルを含まない)木構造問題について,すべての基本問題が1つの置換定理によって関連付けられることを示す.また,既知ベクトルを含む基本問題,木構造以外の基本問題についても同様の議論を行う.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1994-11-15
著者
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