生成順序を保存するコピー方式ガーベジコレクションについて
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概要
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大容量の主記憶をもつ計算機における言語処理系では,コピー方式のガーベジコレクションアルゴリズム(GC)がよく使われている.コピー方式GCは,その実行時間が使用中オブジェクトの総容量に依存する時間で済み,記憶領域全体の大きさに依存しないため,実行時間が記憶領域の総容量に比例するスライディング圧縮方式などと比較して,相対的に速い.しかし,オブジェクトが生成された順序(生成順序)と,コピーされる順序が関係しない.本論文では,コピー方式GCに生成順序を保存する特性をもたせる方法を提示する.まず,生成順序を保存する基本的なアルゴリズム(各オブジェクトにマークビットをもつもの)を示し,次に,マークビットを持たない方法を示す.最初のものは,マークビットをコピー先領域にとる方法であり,2番目のものは,逆ポインタによりマークビットを省略する方法である.このアルゴリズムによって,コピー方式GCにおいて世代別の分類が自然に実現でき,スライディング圧縮方式で使うような効率化の方法も適用可能になる.さらに,オブジェクトの生成順序を保存すると都合の良い処理系のGCにも応用できる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-11-15
著者
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