通信を行うプロセスの移送機能の設計と実装

概要

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プロセス移送は分散処理環境において,負荷分散や計算機停止時のプロセスの実行の継続を可能にする.従来,プロセス間通信を行うプロセスの移送は,移送するプロセスのみでなく通信先のプロセスにも影響を与えるため困難であった.本論文では,UNIXで提供しているソケットを用いて通信を行うプロセスの移送をユーザレベルで実現する方法について述べる.本論文のプロセス移送システムはプロセス移送を管理する移送サーバおよびユーザプログラムにリンクされる移送ライブラリからなり,移送時には,これらが協調してプロセスの実行状態の保存・回復を行う.この時,ソケット通信路の状態の保存・回復を行うために,接続指向通信路の場合には,移送サーバは移送前のソケットの代わりに新しく接続したソケットを生成し,それをユーザプロセスの移送ライブラリに渡す.また非接続指向通信路の場合には,移送サーバが移送前のソケット宛のメッセージを移送先に転送する.移送ライブラリはUNIXソケットと同じインタフェースを持ち,通常の通信時にはソケットの状態の変化を調べるのみで,実際の通信は通常のUNIXのソケット機能を使用する.ユーザプログラムはソースコードを変更せずに移送ライブラリをリンクするのみで移送可能になる.
一般社団法人情報処理学会の論文
1993-06-15

通信を行うプロセスの移送機能の設計と実装

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