誤り訂正符号を利用してアクセス権限のチェックを行うトラステッドメモリシステム(ディペンダブルシステム,<特集>ディペンダブルコンピューティング論文)

概要

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プロセッサコアを内蔵した高度なシステムLSIが組込み機器に使われるようになり,相互に隔離された安全な実行環境をLSI内に設けて,プログラムやデータのセキュリテイを確保したり,機器の信頼性を向上させることが必要とされている.本論文ではそのような隔離された実行環境を実現する基本メカニズムとして,誤り訂正符号化したデータに,アクセス権限を表すアクセスキーを排他的論理和で重ねてメモリに記録する方式を提案する.書込み時と読出し時でアクセスキーが異なれば誤り検出・訂正回路でメモリエラーとして検出できるようにアクセスキーを構成する方法を明らかにする.また,メモリエラー発生時にアクセス権限のないデータが読み出された場合でも,もとのデータを推測しにくくするランダム性を備えたアクセスキーの生成方式を述べ,その回路は擬似乱数発生器を応用した単純な回路で実現できることを示す.本方式を用いれば,誤り訂正符号を使用しているメモリに対してアクセス権限情報の記録のための新たなメモリ領域を追加することなくアクセス制御機能を実現できる.
2006-08-01