多面体の頑健な切断演算アルゴリズム
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
多面体を任意の平面で切断する処理は, 立体モデリングにおける基本的な演算の1つである. 立体モデリングでは, 幾何的な諸量の算出や判定を, 浮動小数点演算を用いて行う. 浮動小数点演算では数値誤差の発生が不可避なため, 得られた結果に矛盾が生じやすく, 最悪の場合処理が破綻してしまう. 矛盾の多くは, 近接した幾何要素の一致判定の失敗が原因で生じる. そこである微小な公差値よりも接近している要素を一致していると見なし, 矛盾の発生を防止することが経験的に行われている. しかし従来の手法では, 公差の導入が新たな矛盾の原因となる場合が多く, 問題の解決になっていなかった. 本研究では, 既存の切断演算アルゴリズムを見直し, 処理が破綻する原因を明らかにするとともに, 処理を安定に行うための位相的な条件を導出した. 次に必要な幾何的判定の手続きを, この条件を満たすように, 切断平面の公差域に基づいて整合的に定義した. その結果, 多面体の切断演算を安定に実行するアルゴリズムを実現したので報告する. 実際にプログラムを作成し, 数値実験により手法の有効性を確認した.
- 1997-08-15
著者
関連論文
- 幾何処理としてのCAM(はじめての精密工学)
- デジタル製造と3次元CADデータ
- ボロノイ図とタブーサーチを融合した配電計画評価手法
- ポリゴン表現に基づくCAM(デジタルエンジニアリングにおける大規模形状処理技術)
- デジタルオフセット技術による石垣模様の検出
- 板金製品の曲げ作業自動工程設計システムの開発
- 形状特徴操作に基づく機械加工工程設計の自動化
- 加工向きプロダクトモデルに基づくマシニングセンタ用加工命令の自動生成
- 複数の面分からなる形体へ適用可能な幾何公差方式の提案
- 3軸数値制御工作機械による曲面加工の高速なシミュレーション
- 部分的な再描画によるNC加工プロセスの高速なアニメーション
- NC加工プロセスの高速なアニメーション表示
- 多様性を考慮したジョブショップスケジューリングの決定
- 金型粗加工のための逆オフセット面に基づく工具経路の生成手法
- 2553 免疫システムによる設計最適化に関する研究
- ディジタル製造技術の現状と展望
- 力学的なシミュレーションに基づく対話的な図形配置の支援手法
- 物理的な法則に基づく図形配置に関する等式的な制約の評価
- 物理法則に基づく剛体運動を用いた図形配置インターフェイスの開発
- 公差が与えられた組立品の位置姿勢の配位空間を用いた評価
- 効率的な干渉判定による板金の曲げ手順の高速な生成アルゴリズム
- 板金曲げ加工の幾何制約を利用した高速な曲げ手順生成アルゴリズム
- 可変な公差と位相的な必要条件に基づく退化した公差を含む多角形の安定な集合演算
- 公差による退化判定と位相優先法による多角形のBSP木の安定な作成アルゴリズム
- 公差による退化判定と位相優先法を用いた多角形の安定な集合演算アルゴリズム
- 高精度な逆オフセット面による等高線加工経路の生成手法
- グラフィックスハードウエアを用いたポケット加工用パスの高速な生成手法
- 公差が指示された組立品の配位空間を用いた位置姿勢の曖昧さの解析
- 微小な形状誤差を含む組立品の位置決めアルゴリズム
- 依存情報を用いたモデル作成過程の表現とその可変ソリッドモデリングへの応用
- 製品特徴記述に基づく切削加工情報の自動生成
- 製品設計と工程設計を統合する形状特徴モデリング
- 多面体の頑健な切断演算アルゴリズム
- 高速な逆オフセット法を用いた削り残し量の事前評価
- 整合的な公差の評価に基づく多面体の安定な切断アルゴリズム
- NC加工命令の高速な生成手法 : 逆オフセット法のハードウェアによる高速化
- NC加工結果の高速な可視化手法 : 離散的に表現された切削加工面の高品質な表示
- NC加工命令の高速な生成手法 : ハードウェアによる逆オフセット法の高速化
- NC加工結果の高速な可視化手法 : 3次元グラフィックス表示装置の利用
- 金型加工のシミュレーション結果の高品質な表示
- グラフィックスハードウェアを利用したNC加工結果の高速な可視化
- プレス順送加工のための高速な曲げ手順生成アルゴリズム
- 順送加工のための板金部品の曲げ手順の高速生成
- 幾何的な制約を利用した曲げ順送加工の効率的な工程設計