病原放線菌接種によるメロンがんしゅ病の病徴発現
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概要
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メロンがんしゅ病放線菌接種後のメロンの病徴発現様相を調べ, 接種方法と発病との関係, メロンの生育ステージと発病との関係およびメロンの地上部組織における病原性発現の特徴について検討した. 栽培中の株元土壌に灌注接種したメロンと汚染土壌に播種したメロンでの本病の潜伏期間は約7〜14日であった. また, 汚染土壌に直接播種メロンの方がより激しく発病した. こぶ組織は根の分岐部に多くみられ, 特に汚染土壌に播種したメロンの最初のこぶ形成部位は主根と・次分岐根の分岐部であり, その後, さらに高次の分岐根の分岐部でも認めらた. こぶの形成数は, 播種42日後頃までは著しく増加したが, 49日後頃からは新しいこぶの形成は減少した. 罹病メロンは播種49日後までに, 草丈で約40%, 葉数で約15%の生育抑制を受けた. 異なった生育ステージのメロンへの接種後の病徴発現では, 播種後14日齢のメロンで最も激しく発病し, それ以上では加齢とともに発病が軽減された. これらの病徴発現の特徴から, 本病の病徴はメロンが若く根系の発達が著しい時期に激しく現れるように考えられた. 一方, 本病原放線菌は菌体の注入接種によりメロンの地上部組織でも, 接種組織の肥大を呈する病徴を起こした. この病徴の発現は胚軸で最も早く激しく現れ, 次いで茎, 葉柄の純であり, 胞子体より菌糸体での接種においてより顕著に現れた.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-05-25
著者
-
吉田 政博
九州東海大・農
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小林 研三
九州東海大農
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古賀 成司
九州東海大学農学部:(現)熊本病害虫防除所
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吉田 政博
九州東海大農
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山口 武夫
九州東海大学農学部
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小林 研三
九州東海大学農学部:(現)熊本病害虫防除所
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