(27)Furovirus属RNA1とRNA2の5'および3'非翻訳領域に存在する共通保存配列とウイルスRNA複製における役割
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Furovirus属ウイルスは2分節性のプラス鎖RNAウイルスである.すべてのfurovirusのRNA1とRNA2には,5'末端側非翻訳領域(5'UTR)に共通保存配列(CSE)が3カ所存在し,CSE2と3はステムループ構造をとりうる.さらに3'末端側非翻訳領域(3'UTR)の約100塩基は高く保存されている(白子,2002).本研究はこれらCSEのウイルスRNA復製における役割を調べるため,ムギ類萎縮ウイルス(タイプ種)の感染性全長cDNAクローンへ変異を導入し,その試験管内転写産物とオオムギ葉肉プロトプラストを用いて接種試験を行った.先ず,RNA1の5'UTRと3'UTRをRNA2のそれらと置換したところ,変異RNA1は単独でプロトプラスト内で複製し,RNA1から翻訳された複製酵素はRNA2の5'UTRと3'UTRにシスに機能することが証明された.次に,RNA2の5'UTRに存在するCSE2の構造に変異を与えた結果,ステム構造の維持とループ内の塩基配列がRNA2の復製に重要であることが明らかとなった.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
著者
関連論文
- (28) イネ黄化萎縮病菌Bウイルス (Sclerophthora macrospora virus B) のゲノムRNAの全塩基配列と遺伝子構造 (平成10年度関東部会)
- (400)BNYVVの分子変異と病原性(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (211)BNYVVに対する抵抗性の品種特異性を決定しているP25タンパク質のアミノ酸の同定(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (97)BNYVV P25遺伝子はテンサイの接種葉におけるウィルス増殖を抑制する
- (287) ランえそ斑紋ウイルスの遺伝子構造 : 2分節ゲノム性とラブドウイルスとの類似性
- (246) 染色体組込み型酵母ツーハイブリッド法によるムギ類萎縮ウイルス外被タンパク質およびオオムギフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)と相互作用するオオムギタンパク質のcDNAライブラリースクリーニング(平成20年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (211) 新種のムギ類萎縮ウイルスの発生と既報のウイルス種との性状比較について(平成20年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (361) ムギ類萎縮ウイルスの全身感染の維持における外被タンパク質およびCP-RTタンパク質の役割(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- ムギ類萎縮ウイルスのp37移行タンパク質変異株の細胞間移行とプロトプラスト内複製について(関東部会講演要旨,平成17年度地域部会講演要旨)
- ムギ類萎縮ウイルス米国株RNA1に対する感染性cDNAクローンの構築 : プラスミドと大腸菌株の検討(関東部会講演要旨,平成17年度地域部会講演要旨)
- (354) オオムギ組換え自殖集団におけるムギ類萎縮ウイルス抵抗性の評価とQTL解析(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (298) 25℃で全身感染するムギ類萎縮ウイルス変異株の遺伝子解析(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (297) ムギ類萎縮ウイルスの全身感染性における異種ウイルスRNAサイレンシングサプレッサーの役割(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (37) 25℃で全身感染するムギ類萎縮ウイルス変異体の出現(関東部会講演要旨, 平成16年度地域部会講演要旨)
- (36) ムギ類萎縮ウイルス感染植物細胞からのウイルス由来siRNAの検出(関東部会講演要旨, 平成16年度地域部会講演要旨)
- (402)ムギ類萎縮ウイルスのRNA組替え接種実験に基づく分類学的提案(平成16年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (401)ムギ類萎縮ウイルスの全身移行に外披タンパク質は必須ではない(平成16年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (20)オオムギ縞萎縮ウイルス(BaYMV)に対する圃場抵抗性および罹病性2品種間の交配系統におけるムギ類萎縮ウイルス(SBWMV)罹病性(関東部会講演要旨)(平成15年度地域部会講演要旨)
- (19)ムギ類萎縮ウイルスRNA2のサブゲノムRNA5'末端の決定(関東部会講演要旨)(平成15年度地域部会講演要旨)
- (399)ムギ類萎縮ウイルスのp37,外被タンパク質およびp19のウイルス移行における役割(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (398)ムギ類萎縮ウイルスRNAの複製適温は17℃でありRNA1により決定される(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (27)Furovirus属RNA1とRNA2の5'および3'非翻訳領域に存在する共通保存配列とウイルスRNA複製における役割
- (26)ムギ類萎縮ウイルス英国株RNA2は日本株および米国株RNA1と共にコムギに全身感染しモザイク症状を示す
- (267)ムギ類萎縮ウイルス152Kタンパク質のUGA終止コドンのUAG及びUAA終止コドンへの改変とウイルス増殖に対する影響(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (266)ムギ類萎縮ウイルス感染性試験管内転写RNA1およびRNA2のオオムギ葉肉プロトプラストへの接種(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- 植物防疫基礎講座:植物ウイルスの分類学(8)トンブスウイルス科(Tombusviridae)
- (44) BNYVVに含まれるRNA-5の地理的分布と変異 (平成10年度関西部会)
- (50) Beet necrotic yellow vein virus (BNYVV) RNA-5がコードするP26遺伝子の植物体内での発現 (関西部会)
- (234) BNYVV遺伝子のNicotiana benthamianaへの導入 (日本植物病理学会大会)
- (311)イネ萎縮ファイトレオウイルス非構造蛋白質Pns12のリン酸化と細胞内所在(平成9年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (15)白紋羽病菌W8株で見いだされたM-dsRNAの解析(関東部会講演要旨)(平成15年度地域部会講演要旨)
- (319)白紋羽病菌W8菌株で見出されたM-dsRNA virusの推定CP鎖のシークエンス解析と純化ウイルスのプロトプラストへの感染実験(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- 白紋羽病菌W8菌株で見出されたウイルス様2本鎖RNA(東北部会講演要旨)
- 紫紋羽病菌における菌株間でのdsRNAの移行(平成12年度 日本植物病理学会大会 講演要旨)
- (271) 感受性および抵抗性宿主におけるbeet necrotic yellow vein virusの増殖に及ぼす温度の影響 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- (270) Beta maritima MR1の抵抗性に関与するbeet necrotic yellow vein virus P25遺伝子の解析 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- (269) Beet necrotic yellow vein virusと抵抗性宿主Beta maritimaとの相互作用 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- Clavibacter michiganense subsp. nebraskense 感染性バクテリオファージの性状
- (246) Beet necrotic yellow vein virus (BNYVV) の RNA 成分と病原性 (昭和62年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (294) イネグラッシィスタントウイルスRNAに対するランダムcDNAライブラリーの作製と塩基配列の決定
- ムギ類萎縮ウイルス増殖過程に出現する欠失変異RNA2の特徴
- ムギ類萎縮ウイルスの日本株RNA1と米国株RNA2により構成されるリアソータントウイルスの作出
- (2) ムギ類萎縮ウイルスRNA複製酸素変異株の作出と感染性試験 (関東部会講演要旨)
- (1) ムギ類萎縮ウイルスの感染性in vitro transcript接種後に生ずる欠失変異RNA2 (関東部会講演要旨)
- (27) ムギ類萎縮ウイルス感染コムギ葉から検出された8種類の欠失変異RNA2 (平成10年度関東部会)
- (314) ムギ類萎縮ウイルスRNA1およびRNA2の全長cDNAクローンからのin vitro転写産物の感染性
- (48) ムギ類萎縮ウイルスゲノムの全長cDNAクローンの構築 (関東部会)
- (240) 病徴型の異なるカボチャモザイクウィルス2分離株の外被蛋白の比較 (昭和59年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (232) 黄化萎縮病罹病イネから検出されるウイルス様粒子型の国内分布について (昭和59年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (221) 抗ヌクレオキャプシド血清を用いたELISA法によるムギ北地モザイクウイルスの検出 (昭和59年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (30) ゲル電気泳動法を用いた植物ウイルスの簡易同定法 (東北部会講演要旨)
- (9) 黄化萎縮病罹病イネ体内の卵胞子および菌糸にみとめられるウイルス様粒子について (予報) (東北部会講演要旨)
- 黄化萎縮病罹病イネから分離された2種類の小球形ウイルス様粒子
- (240) 黄化萎縮罹病イネから分離された小球形ウイルス様粒子の蛋白と核酸 (昭和58年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- イネグラッシースタントウイルス・タンパク質間の相互作用
- (246) カボチャモザイクウイルスの管状封入体蛋白, 不整形封入体蛋白および外被蛋白に対するモノクローナル抗体の特性 (昭和63年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (239) カボチャモザイクウイルスの管状封入体蛋白, 不整形封入体蛋白および外被蛋白に対するモノクローナル抗体の作製とその特性 (昭和62年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- SDS-PAGEによるウリ科植物感染性potyvirus3種の精製法の検討
- (230) ソテツ, ジンチョウゲ, アオキから分離されたNepovirusの新称ソテツえそ萎縮ウイルス(Cycas necrotic stunt virus) (昭和54年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (371) PVXベクターにおけるBNYVV遺伝子(P25とP26)の発現
- ムギ類萎縮ウイルスRNA1にコードされる152Kおよび211K推定RNA複製酵素タンパク質の発現様式とウイルス増殖性との関係
- (247) Beet necrotic yellow vein virus RNA の分離抽出法の検討と接種試験 (昭和62年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (73) 日本およびヨーロッパから検出されたBNYVV RNA-5の塩基配列の差異 (関西部会)
- (35) Lettuce big vein病葉の電顕所見ならびにタンパク, 核酸の電気泳動パターン (昭和53年度地域部会講演要旨(夏季関東部会))
- (265)ムギ類萎縮ウイルスRNA1およびRNA2の5'末端および3'末端非翻訳領域に存在する保存塩基配列(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- イネグラッシースタントウイルスRNA5にコードされた22kDaタンパク質の同一分子間相互作用(関東部会講演要旨)
- ダイアンソウイルスRNAl様RNAにコードされた33kDaタンパク質のイネ葉粗汁液からの検出(関東部会講演要旨)
- (127)ムギ類萎縮ウイルスアメリカ株の試験管内感染性RNA転写系の確立
- (126)外被タンパク質リードスルー領域を発現しないムギ類萎縮ウイルス変異株から生ずる欠失変異RNA2
- (125)グラッシースタント病罹病イネ葉より検出されたダイアンソウイルスRNA1様RNAに対する全長cDNAクローンの構築
- Furovirus属の分類学的考察
- グラッシースタント病イネ葉より検出されたダイアンソウイルスRNA1様ゲノム
- (6) イネグラッシースタントウイルスのP2.23KおよびP5.22Kタンパク質に対する抗体作製とウイルス感染イネ葉からの検出 (関東部会講演要旨)
- (10) エレクトロブロット・イミュノアッセイ法によるダイズウイルス病の診断 (東北部会講演要旨)
- (18) 宮城県に発生する大豆の種子伝染性ウイルス (昭和60年度地域部会講演要旨(東北部会))
- (247) Tobacco necrosis virus(TNV)のOlpidium brassicaeによる伝搬過程に関する電顕観察 (昭和52年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- カボチャモザイクウイルス筒状封入体タンパク質, 不定形封入体タンパク質およびキャプシドタンパク質に対するモノクローナル抗体と他のpotyvirusの対応抗原との反応性
- Non-precoated indirect ELISAおよびelectroblot ELISAによりズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV)を検出する際生じる非特異反応の簡易除去法
- (326) Sorghum Chlorotic Spot Virusの遺伝子構造 (日本植物病理大会)
- (39) 日本産ムギ類萎縮ウイルス (栃木株) の遺伝子構造 (関東部会)
- (248) Beet necrotic yellow vein virus RNA の無細胞蛋白合成 (昭和62年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (12) ウリ科植物感染性 potyvirus 3種の分離精製法の検討 (東北部会講演要旨)
- (238) ズッキーニ黄斑モザイクウイルス感染葉中の外被蛋白と管状封入体蛋白の経時的検出 (昭和61年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (213) コムギ胚芽抽出液によるムギ類萎縮ウイルス粒子からの無細胞蛋白合成 (昭和61年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- エレクトロブロット・イムノアッセイ法によるヤマノイモえそモザイクウイルスの検出
- (27) ヤマノイモえそモザイクウイルスの純化と性状 (昭和60年度地域部会講演要旨(東北部会))
- (2) 本邦のTobacco necrosis virusの3系統(タバコ, イチゴ, チューリップの各系)の性状比較 (昭和52年度地域部会講演要旨(秋季関東部会))
- (23) ウリ科植物感染性 potyvirus 3種の外被蛋白と封入体蛋白の比較 (昭和60年度地域部会講演要旨(東北部会))
- (15) 黄化萎縮病罹病イネにおける病原菌と菌体ウイルス様粒子の動静 (昭和60年度地域部会講演要旨(東北部会))
- 黄化萎縮病罹病イネから分離されたウイルス粒子の核酸と蛋白
- (194) 無細胞蛋白合成系によるムギ類萎縮ウイルスRNAの翻訳と合成産物の解析 (昭和60年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (166) ゲル電気泳動法とウエスタンブロット法による WMV, CMV感染ウリ科作物の診断 (昭和60年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- 土壌伝染性ウイルスに関する研究
- (17) ムギ類萎縮ウイルスRNAの無細胞蛋白合成 (東北部会講演要旨)
- (13) キュウリのモザイク症状株より分離された1小球形ウイルスの性状 (東北部会講演要旨)
- (23) 黄化萎縮病罹病稲にみとめられるウイルス様粒子について (東北部会講演要旨)
- (202) ムギ類萎縮ウイルスの多粒子性と欠損変異 (続報) (昭和57年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (7) ムギ類萎縮ウイルスの多粒子性と欠損変異 (東北部会講演要旨)