(5)イネいもち病及び紋枯病に対する長期残効型箱薬剤の防除効果と追加防除
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概要
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佐賀県の主要品種であるヒノヒカリにおけるイネいもち病及び紋枯病に対する長期残効型箱薬剤の防除効果と追加防除の必要性を検討した.1997年から5年間いもち病常発地帯で行った長期残効型箱薬剤の穂いもちに対する防除価は83〜85を示した.箱薬剤単独施用区における穂いもちは,出穂期の葉いもちが少発生であっても,5%前後の減収につながる被害度1以上となる年があった.さらに,出穂期に追加防除を行った区との間で被害度1以上の差が認められることから,常発地帯では追加防除が必要と考えられた.一方,紋枯病に対し,長期残効型箱薬剤は防除価55〜96の効果を示した.追加防除を行うと防除価が2〜30上昇したが,増収効果は低く,本試験での追加防除の必要性は認められなかった.しかし,防除効果を解析すると,発病株率を著しく抑える一方,出穂期以降の病斑高率は無施用区と同様に推移した.したがって,本剤施用の場合においても,薬剤無処理の場合の要防除水準である出穂期の発病株率が10%以上に達した場合は追加防除が必要と考えられた.
- 2003-02-25
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