(3)コムギ黄斑病の発生とコムギ品種の抵抗性差異
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概要
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2002年4月に野津町のコムギにおいて下葉を中心に黄褐色の小斑点を生じ,のちに隣接する病斑と融合して不整形病斑になるとともに,葉先から枯れ込み,5月以降急激に下葉から枯れ上がる症状が発生した.また,稈にも病斑を形成した.枯死葉上には,円筒形で頂部鈍頭,下端は円錐形で蛇頭状を呈し,淡黄褐色,大きさは平均で149.5×17.7μmの分生子が観察された.分生子の形態から本菌はPyrenophora tritici-repentisで,本病害はコムギ黄斑病と考えられた.その後宇佐市や中津市でもコムギの葉の枯れ上がりの激しい圃場が認められ,発病株の葉上には前述同様の分生子が観察され,県内数カ所で発生が確認された.また,各地の奨励品種決定圃場において本病害の発病程度を品種別に調査したところ,チクゴイズミが最も高く,農林61号他系統品種がそれに次いだ.しかしイワイノダイチの発病程度は極めて低く,本病の発病には明瞭な品種間差異が認められた.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
著者
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