計算機資源の流通および集約のためのP2Pミドルウェア

概要

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PCをはじめとする個人情報機器の計算能力やストレージといった資源を,個人間で融通,共有し,ひいては集約して分散処理を行うためのミドルウェアP3の設計と実装を述べる.自由な並列プログラミングを可能とするために,通信には,オーバレイネットワークを提供するP2P通信ライブラリ,具体的にはJXTAを採用した.本発表では,計算機資源の授受や,集約しての分散処理という目的に対して,P2P通信ライブラリの提供するピアグループや発見などの諸概念をいかに適用するかを提案する.一方,P2P通信ライブラリの諸機能は通信性能を犠牲にしていることが予想される.そこで,基本性能とアプリケーションの実行性能を測定し,高スループット計算という目的への適合性と,本ミドルウェアで効率の向上を図ることが可能なアプリケーションの条件を調べた.現実装は,100×10^6bpsの帯域幅を十分活用できること,部分問題あたりの処理時間が1秒以下であっても32台で20倍以上の性能向上率は達成できることが分かった.一方で,部分問題1つの配布と回収に10〜30ミリ秒を要しており,単一のジョブに数万台規模の計算機を参加させるためには通信遅延の低減が不可避であることも分かった.(平成15年8月4日発表)
一般社団法人情報処理学会の論文
2004-05-15

計算機資源の流通および集約のためのP2Pミドルウェア

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