日本の労働市場の変貌と地域経済 : 労働と地域の地理学(<特集>日本経済のリストラクチャリングと雇用の地理)
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概要
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本稿では,第一に,内外の経済地理学,日本の労働経済学,都市経済学などの研究展望を通じて,労働と地域が交差する研究領域の位置づけを検討し,さらにこの領域が現在の日本において持つ意義を見直す.第二に,全国的にみた地域差を踏まえたうえで,岐阜における企業経営,主要企業労働者,失業者・求職者に対する実態調査の一部を利用して,労働をめぐって考えられる地域的側面として有意味な点と消極的な面を取り出す.第三に,最近の雇用政策において地域が重視されつつあることを概観したうえで,これからの新たな労働と生活の展望を考えるうえでの長期的な展望と,政策的な諸要素から構成されるフレームワークの提示を試みる.こうした再検討と展望を通じて,労働とコミュニティの領域に対する経済地理学からの積極的なアプローチの必要性を論じる.とくに地域における教育・職業訓練やセーフティネットの構築が,これからの地域づくりにおいてより重視されるべきであろう.
- 経済地理学会の論文
- 2002-12-31
著者
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