906. 美濃帯の放散虫化石 Eucyrtidiellum
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概要
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中部日本美濃帯のチャート, 珪質頁岩, マンガン炭酸塩岩から得られたEucyrtidiellumとオレゴン州のSnowshoe層最上部試料中のそれを研究して次の結果を得た。前期ジュラ紀後期から後期ジュラ紀にかけて, この属には18種が認められる。そのうちEucyrtidiellum disparile, E. unumaense, E. pustulatum, E. semifactum, E. ptyctumの5種が最も多い。これらの種は形態的にお互いに深い関連をもっていて, はじめにE. disparileからE. unumaenseへの変化にみられるような腹部の殻構造の変化, ついで, E. unumasenseからE. pustulatum, E. semifactumを経てE. ptyctumにいたる変化にみられるような腹部の表面皺壁の発達という2段階からなる逐次変化過程を示す。Snowshoe層の上部バソニアン統からは専らE. pustulatumが見出されることから日本のジュラ紀層についての生層序学的対比を試みた。すなわちUnuma echinatus群集帯は上部バソニアン統よりは下に, またDictyomitrella (?) kamoensis-Pantanellium foveatum群集帯の下部は上部バソニアン統に対比される。2新種Eucyrtidiellum disparileとE. semifactumを記載し, 関連種についても検討した。
- 日本古生物学会の論文
- 1990-09-30
著者
-
水谷 伸治郎
Department Of Earth Sciences Nagoya University
-
永井 ひろ美
中部大学工学部
-
永井 ひろ美
Nagoya University Furukawa Museum, Dating and Materials Research Center
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