598. 福島県, 鮮新統・竜ノ口層中の海棲珪藻植物群
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概要
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阿武隈山地東縁の双葉断層以東, 海岸にいたるまでの丘陵地域に分布する竜ノ口層中の化石珪藻群集の解析と結果を述べる。出現する珪藻種にもとづく統計的解析により, 類似性の強い4つの群に, 試料を大別し得た。試料の地理的, 層序的分布から, これらの各群は地域の南部と北部を, 北部では更に垂直的細分を代表するものであることが分る。現生珪藻種の地理的分布から判断すると, これら各群の珪藻群集は主に環境要因によって規定されたものである。群集解析の結果, 竜ノ口層堆積当時は, 現在と同じように地域の南部ほど古黒潮の影響が強かったことが, そして堆積盆地は漸次浅海化していったことが分る。これとは別に, 群集の大半を占める絶滅種は, これまで上部中新統ないし鮮新統, および鮮新統からしか報告されていない種のみである。福島県, 竜ノ口層中の各珪藻群(帯)の種組成, 特徴, 分布について述べ, 2新種Stephanopyxis horridusおよびRhaphoneis tatsunokuchiensisを記載した。
- 日本古生物学会の論文
- 1972-06-30
著者
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小泉 格
Institute of Geological Sciences, Osaka University
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小泉 格
Department of Geology and Mineralogy, Faculty of Science, Hokkaido University
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小泉 格
Department Of Geology And Mineralogy Faculty Of Science Hokkaido University
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小泉 格
Institute Of Geological Sciences College Of General Education Osaka University
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