本邦における珪藻種のrangeと珪藻生層序
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概要
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調査の対象とする珪藻種(海棲, 浮遊性)をあらかじめ選んでおき, それだけのrangeを検討した。使用した試料は四国, 瑞浪, 富山, 銚子, 福島, 宮城, 新潟および秋田の新第三系であり(Figs. 1, 2), その層位学的位置ずれはKANAYA and KOIZUMI(1970)およびIKEBE et al.(1972)の時間的尺度を枠組として, 珪藻以外の浮遊性有孔虫, 放散虫などによる生層序にもとずいて行った(Fig. 2)。その結果(Fig. 3), 本邦中期中新世より鮮新世にかけて6分帯の珪藻生層序がなされた。Denticula Partial Range Zone-中期中新世, Denticula hustedtii-Denticula lauta Concurrent Range Zone-中期中新世, Denticula hustedtii Partial Range Zone-後期中新世, Denticula kamtschatica Partial Range Zone-後期中新世, Denticula seminae-Denticula kamtschatica Concurrent Range Zone-初期鮮新世, Denticula seminae Partial Range Zone-後期鮮新世。これらの分帯をもとに, 能登, 北関東および常盤などに分布する新第三系にりいて, その時代的位置ずけを検討したところ, 従来の位置ずけと著しく異なる結果を得た(Fig. 4)。この報告は, 現在なお継続中である, 同研究の中間結果の要約である。
- 1973-03-31
著者
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小泉 格
Institute of Geological Sciences, Osaka University
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小泉 格
Institute Of Geological Sciences College Of General Education Osaka University
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