十脚甲殻類における体内の不相称と鉗の不相称に関する研究
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概要
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体内の不相称として胸動脈が消化管のどちら側を通るかを,長尾類,異尾類,短尾類で,とりわけ鉗の不相称との関係に注目して調べた.調査の結果,血管の偏りは鉗の不相称とは関係しないことが分かった.クルマエビ,テッポウエビ,アナジャコおよび短尾類では,この血管の左右への偏りにほぼ等しいばらつきがみられたが,巻貝の殻を利用するヤドカリの仲間では,胸動脈のひたすら左側への偏りがみられた.胸動脈の左への偏りはタラバガニ科のヒラトゲガこでも認められたが,ツノガイヤドカリ科のツノガイヤドカリでは認められなかった.胸動脈が左へ偏る傾向はウミザリガニとアメリカザリガニでも観察されたが,逆の傾向がイソカニダマシで見つかった.
- 1993-11-10
著者
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今福 道夫
Department of Zoology, Faculty of Science, Kyoto University
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今福 道夫
Department Of Zoology Faculty Of Science Kyoto University
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