北日本のシカにおけるQ熱の抗体調査
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概要
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Q熱は重要な人獣共通感染症の中の一つで, リケッチアの1種Coxiella(C) burnetiiがその病原体である。本研究では, 北日本に生息する168頭のシカを対象に, 間接蛍光抗体法を用いてC.burnetii Nine Mile II相菌に対する特異的抗体の検出を行った。北海道の46頭のシカのうち24頭の52.2%, 東北地方の122頭中48頭の39.3%, 合わせて168頭中72頭の42.9%から特異的抗体が検出された。また, 北海道内の斜里町および洞爺村のシカ46頭のうち, 成獣では18頭中12頭の66.7%, 1歳未満の幼獣では17頭中3頭の17.6%が抗体陽性で, 両者間には有意差が認められた。そこで, 成獣のみを対象として比較したところ, C.burnetii抗体陽性率は北海道の29頭中21頭(72.4%)に, 東北地方の122頭中48頭(39.3%)に検出され, 北方で高くなる傾向がみられた。
- 日本野生動物医学会の論文
著者
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上野 弘志
酪農学園大学獣医学部
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村松 康和
酪農学園大学獣医公衆衛生学教室
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森田 千春
酪農学園大学獣医学部公衆衛生学教室
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森田 千春
酪農学園大学獣医学部獣医学科衛生・環境部門獣医公衆衛生学教室
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村松 康和
酪農学園大学獣医学部
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村松 康和
酪農学園大 獣医
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安本 守宏
酪農学園大学獣医学部獣医公衆衛生学教室
-
柳瀬 毅
酪農学園大学獣医学部獣医公衆衛生学教室
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安本 守宏
北海道大学大学院地球環境科学研究科化学物質循環講座:(現)北海道宗谷家畜保健衛生所
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森田 千春
酪農学園大学獣医公衆衛生学教室
-
柳瀬 毅
酪農学園大学獣医学専攻博士課程
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