都市社会論における「外部」と「主体」
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概要
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本稿の課題は、都市社会学における都市の「外部」の捉え方、および都市自治の担い手(「主体」)の捉え方に関する先行研究を整理し、その現代的課題について検討を加えることにある。論述にあたっては以下の点に留意した。第一に、都市の「外部」問題については、日本都市社会学と日本農村社会学の実証的研究成果を接合させる試みの中に、その解明の糸口を求めた。都市社会学の源流はシカゴ学派に求められるのが通常であるが、農村的伝統が希薄なアメリカ社会とは異なり、日本では農村から都市への移行過程が固有の重みをもっていること、そのため欧米を出自とした都市社会学内部の学説史的系譜よりも、日本社会のそのような歴史的現実の分析を重視したためである。第二に、主体論においては、近代主義やマルクス主義といった戦後の代表的な理論的パラダイムとの比較において、都市研究における主体論がどのような独自的貢献をなし得たのかについて検討を加えた。とりわけ都市自治において旧中間層が果たしている役割に再考を促した。
- 福岡国際大学・福岡女子短期大学の論文
- 2003-07-24
著者
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