<論文>近代化論における近代の両義性と日本的特殊性
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概要
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近代化という過渡期のニュアンスをともなった概念は今日の先進諸国ではもはや耳目を集めることは少ないが, 以下の点に関しては依然再考の余地が残されていると思われる。第1は, 近代への移行期が直面した近代的価値と伝統的価値の相克(その意味での近代に対する両義性)という問題が, 今日どのように解消されているのかという点, 第2は, 近代化の普遍的側面と特殊的側面の関係づけをめぐる問題である。本稿では以上の2点に照準を合わせ, 近代化論の歴史的変遷について検討を加える。前半では西欧近代に関する理論の展開を, 後半では日本近代の特殊性に関する議論の展開を整理するが, いずれの系譜においても近年「伝統」を新たに見直そうとする気運が高まってきている。しかし「伝統」に対する認識の仕方, および「伝統」が注目される論拠には両系譜の間で齟齬がみられ, そのような齟齬の克服を近代化論の今日的課題として位置づけた。
- 福岡国際大学・福岡女子短期大学の論文
- 1999-07-30
著者
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