『般若灯論』における『入楞伽経』等の援用事情(I)
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概要
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清弁(バーヴァヴィヴェーカ,f1.6世紀前葉)の『般若灯論』(PP)には大乗仏教の経典が多数引用される。その引用のスタイルは『中論』(MK)のそれまでの注釈書としてはあまり類例のないものであったが,なかでも引用の頻度の高い『入楞伽経』(LS)の引用方法は,PPにおける経典引用の目的が単一なものではないことを示している。Among many sutras quoted in PP,written by Bhavaviveka,the sentences of LS are quoted about 15 times and noticeable.The purpose of the quotations are not simple.It is quoted in order to demonstrate it logically,to suppport the logic of the Madhyamaka-karika,and to criticize the interpretation of LS by Yogacara.The reasons of quoting sutras in PP seem to indicate the name of "Sautruntika-Madhyamaka" school founded by Bhavaviveka.Because PP does not depend on sastras,but on satras as well as Sautrantika of Hinayana.
- 大阪教育大学の論文
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