不良債権の証券化と不良債権処理 : 整理回収機構(RCC)の証券化事例等を通じた考察
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概要
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政府は、金融システムの安定化と景気回復を図るため、不良債権処理の加速化を図っている。一方、資産の証券化の進展に伴い、証券化手法を活用した不良債権の証券化が注目されている。本橋では、整理回収機構の証券化事例等を分析し、不良債権の証券化が不良債権処理へどのような影響を与えるかについて考察する。不良債権の証券化においては、米国で考案されたリスク低減型商品設計(信用・流動性補完措置等)の活用により、不良債権が投資適格商品に変身し、投資家に販売される。また、銀行が一手に担っていた金融仲介機能が分解(アンバンドリング化)し、証券化参画機関の機能展開の多様化が図られる。このように、同証券化は不良債権のオフバランス化促進のための選択肢拡大と不良債権市場の育成に寄与する。しかし、担保不動産の権利関係の複雑さや不動産関連情報開示の遅れ、資産デフレの進展等に伴い、同証券化の普及・拡大には時間を要すると考えられる。
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