q理論とq型投資関数による設備投資分析 : 金融的要因に注目して
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概要
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本稿では、設備投資の決定要因を説明するトービンのq(平均qと限界q)を計測し両方のqの相関関係等を分析した後、q型設備投資関数において、土地資産、企業貯蓄等を説明変数とした金融要因が企業の投資決定にどのような影響を与えるかについて回帰分析を行った。平均qと限界qの相関関係は、90年代半ば以降限界qが景気低迷に伴う設備投資の将来収益の予想低下を背景に1を大きく割り込んでおり、大きな乖離を示している。q型投資関数の計測結果では、土地資産は、80年代のバブル生成期では銀行借入の担保としてエージェンシー・コストの低下を反映し企業の設備投資に有効に影響を与えたが、バブル崩壊後は地価の下落に伴う担保価値の低下等に伴い設備投資抑制の要因となっている。企業貯蓄は80年代以降、設備投資に対する効果は限定的である。
- 尾道大学の論文
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