アクセント型の獲得と消失における「意識型」と「実現型」 : 首都圏西部域若年層における外来語アクセント平板化現象から
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
外来語アクセント平板化現象に関する首都圏西部域高校生220人のデータを,「実現型」「意識型」という観点から分析した。リスト読み上げ式調査によるデータを「実現型」,音声アンケート式調査(聞かせる調査)によるデータを「意識型」として扱った。その結果,勢力を拡大しつつある「新型」については,「意識型」の受容が「実現型」に先行することが確認された。同時に,「新型」の「意識型」受容の様相から,従来の研究において新しい言語変化を先導するとされている地域の高校生が,外来語アクセント平板化現象も先行していることが確認された。また,勢力を失いつつある「従来型」についても,「意識型」から消失するという過程をたどることが推測される結果となった。このことから,首都圏西部域のような明瞭なアクセント型区別を持つ地域における,外来語アクセント平板化現象のような「流行語的」側面を持つ変化は,「意識型」の受容が「実現型」に先行することが分かった。
- 日本語学会の論文
- 2000-12-30
著者
関連論文
- リンクする「方言研究」(日本語学会2005年度春季大会シンポジウム報告)
- 社会言語・言語生活(2004年・2005年における日本語学界の展望)
- アクセント型の獲得と消失における「意識型」と「実現型」 : 首都圏西部域若年層における外来語アクセント平板化現象から
- 日本語諸方言における同意要求表現とその音調の諸相(口頭発表,第323回研究例会発表要旨)
- 話者分類に基づく地域類型化の試み : 全国方言意識調査データを用いた潜在クラス分析による検討
- 特集「方言」の持つ意義(方言)